案件は稼働中のドライバーさんから連絡が来た。
「お忙しいところすみません、お話しよろしいでしょうか。。」
正直、いい予感はしなかった。どうしましたか?
「はい、あの。。」
言葉が中々出てこない。あぁ、これはまた稼働打ち切りの申し出だろうな。2ヶ月か短かったなぁ、いい子だったのになぁ頑張ってたのになぁ、よそで稼働したいんだろうな、残念だなぁ。
僕は、漏れそうになる声を押し殺してスマホを耳に当てがっていた。
しかし、彼女の口から出た言葉は意外なものだった。
「これからも、ケイズネクスト様の所で稼働させて頂きたいです!!」
え〜!ほんとに〜?ww嬉しかった!
いきさつはこうだ。
元々所属していたら軽貨物法人が、報酬含めかなりずさんな待遇で、今月一杯で契約を打ち切ることに。それに伴い稼働中の案件も打ち切られると思い込んでいたドライバーは、相談することも打ち明ける事も出来ず悩んでいた。
何か遠慮がちな態度の彼女の声を汲み上げてみたところ、案件はとても気に入っているが打切りではないかと内心残念がっていたという事。
それならばと、引き続き稼働出来るようこちらで調整を行った上で、肝心なドライバーさんの意見を尊重することを重視し、最後はどうするか、自分の意思で決めてくれるよう、ドライバーさんに伝えてあったのだ。
弊社案件稼働はドライバー重視である事は確かだ。しかし、軽貨物稼働は、そう甘い世界ではない。のんびり楽して報酬を得ている者は実はいない。
謳い文句で案件を誤魔化して稼働させても、ドライバーの為にはならないし長続きもしない。どの案件を選択するかはドライバー自身だ。業界に身を投じた者として、経営側に回る事もできる夢のある業界でもある。個人的には、その本質を備えたドライバーさんが弊社案件の中から生まれることを密かに楽しみにもしている。
現場で、自分がやるべき事、してはいけない事をしっかりと身につけて欲しい、そして他にも伝達して欲しい。そこには会社の関係性など遠慮する事はない。
良い現場、良い案件、ドライバーさん、僕も。まだまだやる事が残っている。